知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

切り傷、裂け傷の手当

刃物、ガラスなどの鋭利なもので切った傷は、出血は多いのですが、痛みは比較的軽いのが特徴になります。鉈のような刃先の鈍いものや、硬いものでたたき切られたような傷では、出血が少ないわりに痛みが強いものです。

傷ができたら、水道水と石鹸で傷口の汚れを落とします。傷の周囲の皮膚に消毒薬を塗ってからガーゼを当てて、包帯をします。傷が開いているときは、絆創膏を蝶形に切るか、カット絆を、傷の線に直角になるように貼って傷口を寄せ合わせます。包帯しても血がにじんでくるときは、その上に新しい包帯をし、圧迫して出血の止まるのを待ちます。

動悸と病気は無関係です

人間の拍動を左胸部に感じることを動悸といいますが、これは必ずしも心臓病の症状ではなく、心臓に病気のある人が動悸を感じるということは、本来少ないのです。

動悸には2種類あります。一つは、とっとと速く打つ場合で、これが突然に現れ、おさまりかたも突然だという場合は、発作性頻拍症の疑いがあります。このときの脈拍数は1分間に140以上もあり、自分で脈をふれてみると、頻脈だけでなくて、脈が弱いものですから、とても気になるのですが、実は、発作性頻拍症の多数は、心臓自体に病気はないのです。同じ頻脈でも、運動や感情のたかぶったときに現れるのが洞性頻脈とよばれるものです。これは、正常のリズムが速くなったというだけで、動悸という症状を自覚しませんが、神経質な人は感じるようです。脈拍数は1分間120止まりであり、頻脈のおこりはじめや終了が、突然ということでなく、いつとはなしに動悸を感じ自然におさまるというかたちをとります。洞性頻脈は、心臓に病気があるときにもおこりますが、この場合は動悸として感じることはまずありませんし、動悸を感じるほど症状がすすんでいれば、息切れその他の心臓に関するなんらかの症状もおこるのが普通です。

母乳不足

母乳が充分に出ないのに気がつかないでいてはいけません。次のようなことがあったら、気をつけましょう。

1)母乳をいつまでも吸っていて赤ちゃんが離さない。母乳は吸うほどたくさん出てくるというものではありません。はじめの5分間くらいで半分くらいはでます。長いこと吸っているのは、母乳のでかたが悪いためです。

2)母乳栄養の赤ちゃんの便は、ゆるいものです。便秘になるのは、いきめないためもありますが、母乳が足りないためのこともあります。

お腹がすいた赤ちゃんは、よく泣き、夜中も目をさまします。

傷の保護

傷の洗浄と消毒が終わったら傷を閉じ、ガーゼや包帯などでおおって保護し、自然治癒を助けます。開いた傷口は、浅くて小さい傷なら絆創膏やガーゼ付きの絆創膏を使って寄せ合わせます。その上から減菌ガーゼでおおいます。この処置で外気の刺激を避け、痛みをやわらげ、細菌の侵入を防ぎ、傷からしみ出す血液やリンパ液を吸い取って感染を防ぎます。動かして痛いときは、包帯を巻いたりしてあげます。

傷は、はじめのうちはしばらく痛むのが普通ですが、これは傷に対する生体反応による腫れが原因になります。冷湿布をしたり、三角巾で高く吊ると楽になります。包帯や絆創膏のしかたが不適切で、それが刺激となって痛むこともあるので注意してください。

心臓のはたらきのしくみ

心臓は、眠っている間も休みなく、与えられた役割を果たしています。心臓の自律運動はどのようにしておこるのかといいますと、電気パルスになります。右心房の上のほうに同結節と呼ばれる特殊な心筋細胞があり、ここから心臓の筋肉を興奮させて収縮させる刺激が、電気のパルスとして一定のリズムで発生しています。このパルスは、心房を通り、心房と心室との間にある房室結節へ伝えられ、さらに心室内の刺激伝達路をへて順次伝わっていきます。このメカニズムによって、心室が拡張している時期にまず心房が収縮し、心房内へたまった血液を心室へ送り込み、つぎの段階で心室が収縮し、心室内血液が動脈へ送り出されますが、このときに血液の逆流がおこらないよう房室間の弁は閉じられます。