知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

病気の知識

バルサルバ洞動脈瘤破裂について

バルサルバは、イタリアの解剖学者の名前で、大動脈壁と大動脈弁によって形成された洞状の部分をバルサルバ洞と名付けられたみたいです。この部分の組織が先天的に弱いと、大動脈の高い血圧にたえきれず、徐々に悪くなり動脈瘤をつくります。これが破裂する…

エプスタイン病

エプスタイン病は、三尖弁を構成する3つの弁尖のうち2つが正常の位置でなく、右心室側に付着し、右心房が大きく右心室が小さくなった奇形になります。エプスタイン病になると同時に、心房中隔欠損をともなうことが多く、右心房から左心房へ血液が流れると…

特発性肺動脈拡張症

これは、肺動脈が異常に拡張する先天性の奇形になります。自覚症状もないので、治療の対象にならないです。しかし、胸部X線検査で異常な心陰影がみられ、心雑音もあるので、診断上、かなり悩まされる病気になります。ほうっておいても生命の影響はないのに、…

アイゼンメンゲル症候群

アイゼンメンゲル症候群は、昔は、この病気を独立なものと考え、アイゼンメンゲル複合と呼ばれていた時がありました。現代では、重症な、心室中隔欠損があるために、肺動脈圧が高くなって、右心室から左心室へ血液が流れる状態と解釈され、アイゼンメンゲル…

心室中隔欠損症

これは、左心室と右心室との隔壁に欠損孔のあいた病気で、先天性の心臓病のなかでもっとも多い病気になります。単独で存在することも、他の心臓奇形と共存することもあります。

心房中隔欠損症

これは、左心房と右心房との隔壁に欠損孔のあいている病気になります。単独のものは手術で治りますが、心房中隔下部に生ずると、心室中隔や房室弁に異常をきたし、心内膜床欠損症と呼ばれる状態になります。重症な場合は、共通房室弁口と呼ばれる状態で、一…

心臓腫瘍

心臓に腫瘍が発生することは、まれになりますが、他の部位の悪性腫瘍が心臓に転移をおこすことはあります。心臓にでてくる腫瘍のうち、悪性のものの大半は各種の肉腫になります。良性のものは、粘液腫になっており左心房内に生じやすい特徴があります。粘液…

続発性心筋症

同じ心筋症でも、ほかの病気との関連で発生した場合を、続発性心筋症といっております。筋萎縮症をきたす各種の神経筋肉性の病気、強皮症や皮膚筋症の病気、グリコーゲン蓄積症や血色素沈着症などの代謝性の病気、アルコール中毒性の病気、サルコイドーシス…

特発性心肥大症

これは、原因不明の心肥大で、とくに左心室がおかされていき、がんこな心不全になっていく病気です。憎帽弁閉鎖不全をともなった先天性心不全のかたちをとることが多いので、左心室中隔が肥厚すると大動脈弁狭窄に似た臨床像になります。また、収縮性心膜炎…

うっ血性心筋症

特発性心筋症のなかで、うっ血性心不全を合併しやすい症患群を総称して、うっ血性心筋症といいますが、非閉塞性心筋症ともいいます。心臓弁膜症や高血圧性の心臓病に合併したうっ血性心不全と違って、ジギタリス剤が効きにくく、安静と利尿剤が主たる治療法…

特発性心筋症

これは、心筋がおかされる特殊な心臓病で、原発性心筋疾患とも呼ばれます。一般に左心室筋が好んでおかされ、左室肥大、左室不全になりますが、右心室や心室中隔もおかされることがあります。臨床像のうえから、うっ血性心不全の経過をとるものを、うっ血性…

心筋炎

心筋炎は、心臓の筋肉が炎症をおこす病気で、軽い場合は、見逃される反面、重い時は、急死することがあります。心筋炎をおこす病原体としては、細菌だけでなく、ウイルス、スペロヘータ、リケッチア、真菌、寄生虫などいろいろありますが、代表的なものは、…

ぽっくり病

ぽっくり病は、健康そのものにみえたのに、ある日、突然に死んでしまい、解剖してみても、これといった心臓の異常がみあたらない、まったく訳が分からない病気です。急性心臓死の一種ですが、とくに20~30代の若い男性で、夜寝ている最中に発生した場合…

急性心臓死

これは、今まで何事もなく元気に生活していたのに、突然意識がなくなって死亡することがあります。このような突然の死因の多くは脳や心臓の病気になりますが、脳卒中の場合は、たいてい一両日は心臓は活動を続けているものです。一般に発症から死亡までが24…

心臓ぜんそくとは

ぜんそくとは、発作性におきる呼吸困難をさした名称で、その原因が心臓にあるとき、心臓ぜんそくと呼びます。急性左室不全をおこし、急激に肺うっ血が発生した状態です。これになりやすいのは、急性心筋梗塞、大動脈弁膜症、高血圧などがあるときにおきやす…

心臓神経症

これは、心臓に病気があると思い込んでしまって、動悸、息切れ、疲れやすいということにとりつかれて、不安に悩んでいる人がいます。これを検査してみると、心臓にはなんの異常もみあたらず、心臓そのものはまったく健康な状態を、心臓神経症といいます。こ…

高血圧性心疾患とは

これは、高血圧を基盤として発症しております。高血圧性心疾患を大きく分けると、動脈の高い血圧に向かって送血するために心臓に負担がかっておこる左心室肥大や心不全と、高血圧によって冠状動脈に硬化をおこした病変、狭心症や心筋梗塞になります。左心室…

心内膜炎とは

心内膜炎とは、悪液質状態や全身性エリテマトーデスでおきることがありますが、重要なのは細菌性心内膜炎になります。 人工流産、前立腺摘出術、心臓手術などのときに、急性に高熱がでて発生する場合があります。あと、抜歯をしたときも発生することがありま…

心膜炎

心膜炎は、人間の心臓をとりまいている外膜の炎症で、貯留液がたまる場合と、たまらない場合とがあります。心外膜が心臓表面と癒着して肥厚したかたちのものを慢性収縮性心膜炎と呼んでおります。これになる原因は、リウマチ熱、尿毒症、心筋梗塞、感染症、…

肺性心

肺の機能的、器質的な病気によって右心室肥大になったもので、左心側の病気や先天性心奇形がない場合を肺性心と呼んでいます。機能的な病気は、呼吸中枢障害をいいますが、頻度の場合からは、肺実質の病変であることが多く、こちらは、慢性肺性心のかたちを…

心臓弁膜症

心臓の弁膜が開閉運動に支障をきたした状態で、心臓の送血効率が低下してきます。弁膜の開放がうまくいかない状態を狭窄症と呼び、閉鎖がうまくいかない状態を閉鎖不全と名づけます。心臓の弁膜は、僧帽弁、大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁の四つがありますから…

狭心症

心臓の筋肉が酸素不足になったときに、胸がしめつけられるような痛みがきます。この症状が狭心症といわれてきました。心筋の酸素不足が問題な時に、心筋の一部が壊死をおこしてしまいますが、これを心筋梗塞とよび、程度が軽かったために、心筋になんの変化…

チアノーゼは心臓の奇形や機能低下の症状

チアノーゼとは酸素が少なく炭酸ガスがたくさん含まれた血液の色を、皮膚の表面から見るとき、紫色がかった色調を呈す状態をいいます。くちびるや爪にもっとも敏感に観察されるものです。 肺での換気障害によるチアノーゼは酸素吸入で改善しますが、そのほか…

心臓病のむくみは両下肢におこります

むくみは、うっ血性心不全の微候の一つとして重要ですが、心不全の早期症状ではなく、肺や肝臓のうっ血がかなり進んだ時期に現れる症状であるとともに、心臓以外の病気でもおこる病気です。心臓病のむくみは、両下肢に現れますが、早朝時にはむくみがなく、…

胸部の圧迫感や狭約感

胸がしめつけられる、圧迫される、痛くなるとなると、心配されるのが狭心症です。狭心症は、心臓の筋肉で酸素需要がふえたときにおこる症状なので、脈がふえるとか血圧が上がるとか、心臓にそれなりの負担をかけたときに発生します。精神的、感情的に興奮し…

意味はない脈の乱れ

脈の乱れは、自分で脈をとってはじめて発見する場合と、動悸という症状で気がつく場合とありますが、正規のリズムが、突如として1心拍分だけふれなくなるタイプのものがほとんどで、このタイプの大多数が期外収縮によるものです。期外収縮は、むしろ心臓に…

心臓病について

息切れや呼吸困難になると、心臓病だと思う方が多いと思いますが、これは、かならずしも心臓病の症状ではありません。心臓病で息切れを感じるのは、うっ血性心不全や肺性心の場合です。この場合は、心臓に負担をかけたときに症状が現れますが、安静にしてい…

動悸と病気は無関係です

人間の拍動を左胸部に感じることを動悸といいますが、これは必ずしも心臓病の症状ではなく、心臓に病気のある人が動悸を感じるということは、本来少ないのです。 動悸には2種類あります。一つは、とっとと速く打つ場合で、これが突然に現れ、おさまりかたも…

心臓のはたらきのしくみ

心臓は、眠っている間も休みなく、与えられた役割を果たしています。心臓の自律運動はどのようにしておこるのかといいますと、電気パルスになります。右心房の上のほうに同結節と呼ばれる特殊な心筋細胞があり、ここから心臓の筋肉を興奮させて収縮させる刺…

酸素を供給するしくみ

心臓自体も酸素を必要としています。人間の心臓の壁は、縦横に張りめぐらされた筋肉によって繊細な構造になっています。人間の心臓は、心筋専用の血管をもっています。これが、冠状動脈と冠状静脈です。冠状動脈とは、心臓の表面を冠のように走行していると…