知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

動悸と病気は無関係です

人間の拍動を左胸部に感じることを動悸といいますが、これは必ずしも心臓病の症状ではなく、心臓に病気のある人が動悸を感じるということは、本来少ないのです。

動悸には2種類あります。一つは、とっとと速く打つ場合で、これが突然に現れ、おさまりかたも突然だという場合は、発作性頻拍症の疑いがあります。このときの脈拍数は1分間に140以上もあり、自分で脈をふれてみると、頻脈だけでなくて、脈が弱いものですから、とても気になるのですが、実は、発作性頻拍症の多数は、心臓自体に病気はないのです。同じ頻脈でも、運動や感情のたかぶったときに現れるのが洞性頻脈とよばれるものです。これは、正常のリズムが速くなったというだけで、動悸という症状を自覚しませんが、神経質な人は感じるようです。脈拍数は1分間120止まりであり、頻脈のおこりはじめや終了が、突然ということでなく、いつとはなしに動悸を感じ自然におさまるというかたちをとります。洞性頻脈は、心臓に病気があるときにもおこりますが、この場合は動悸として感じることはまずありませんし、動悸を感じるほど症状がすすんでいれば、息切れその他の心臓に関するなんらかの症状もおこるのが普通です。