知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

発見の見とおし

生まれたばかりの赤ちゃんは、腕に抱かれるほど小さく、自分でお乳を探すこともできません。それが1年もたてば、ものに伝って自分の思うところへ行ったり、ちょっとした言葉を話すようになります。3歳ごろになればいうことをきかなくなり、6歳になれば小学校へ行くというように、どんどん成長していきます。子供というものは、このようにどんどん変化していくものであるということを考えておきましょう。その変化は、小さいときほど大きく現れるものなのです。体が一番変化するとき、つまり発育がもっとも盛んなときは、赤ちゃんの時期です。この時期には知恵も発達します。生まれたばかりの赤ちゃんと満1歳になったときとを比べれば、すぐわかるでしょう。1ヶ月前と同じ気持ちで赤ちゃんを育ててはいけません。発育だけでなく、食事でも衣服でも生活全体を月数に合わせて考えなければなりません。幼児になると発育のテンポはゆっくりします。思春期になると発育が盛んになり、大人へとすすみます。

骨折の応急処置

骨に強い力が加わったとき、変形したり、痛みが強いときは、骨折の可能性があります。骨折は、医師の診断と治療が必要なことは当然ですが、スキーやスノボーでの事故がかなり多いので初期では自分である程度の処置をしなくてはならないことがあります。

骨折部分に達するような皮膚の傷がないものを閉鎖骨折といい、骨が皮膚を破って突出したものを開放骨折といいます。

骨折の症状は、怪我をした部分を軽く押しただけで痛みます。腫れがひどく、そのあと青あざになり、外傷をうけた手足をうまく動かせません。手足の変形や向きの異常があれば、まず骨折ですが、関節の近くの骨折では、ねんざか脱臼か、単なる打撲なのか判断が難しい場合もあります。このようなときは、そこから離れた場所を動かしたり、叩いたりしたときに、局部に強い痛みがおこるかどうかで判断します。逆に痛みが軽いときは、重大な骨折ではないと判断ができます。

血胸

胸腔内に血液が貯留した状態です。外傷でおこることが多いのですが、大動脈瘤の破裂、人工気胸、肺切除術などに続発しておこります。症状は、出血の速度、量によって違います。出血が急速で大量になると胸痛、呼吸困難、ショックをおこします。大量出血やくりかえし出血するときは、これにたいする治療とともに、開胸して止血します。大量出血でなければ、安静にして止血剤を投与し、胸腔内出血の止まるのをまちます。貯留した血液は、胸腔内穿刺をして排除します。

母乳の出かた

お産のあと1~2日は母乳はよく出ないものなのです。出ないからといって悲しんではいけません。また栄養不良にならないかと、すぐミルクを飲ませるのも感心しません。3~4日たてば母乳は多くなってきます。母乳は自然に出るというものではありません。赤ちゃんが吸うと、その刺激が脳に伝わって母乳が出るのです。ですから、出る量が少なくても何回も吸わせてみます。どうしても母乳が少なくて赤ちゃんが泣くようならば、湯ざましか薄い砂糖湯を与えてみます。乳頭がくぼんでいるとか、大きくて赤ちゃんが吸えないときは、母乳をしぼって哺乳瓶で飲ませます。

凍傷にかかったとき

凍傷にかかると、皮膚がはじめは白くなり、次第に紅色から暗紫色になって腫れてきます。軽いしびれ感や痛みがあり、さらに進むと水疱、血疱ができ、放っておくと破れてただれてきます。どれだけ寒い状態の時かといいますと、-20度以下の低温と、雨風に長時間さらされるとおこります。冬山の登山などの特殊な条件のもとにみられます。処置としては、顔は手のひらを押しあて、手指はわきの下などに差し入れて暖めます。すぐにテントなどに収容し、40度くらいの湯につけて暖めます。直接火にかざして暖めないようにしてください。室温を25度以上に保ち、からだ全体を暖めることが大切です。