知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

凍傷にかかったとき

凍傷にかかると、皮膚がはじめは白くなり、次第に紅色から暗紫色になって腫れてきます。軽いしびれ感や痛みがあり、さらに進むと水疱、血疱ができ、放っておくと破れてただれてきます。どれだけ寒い状態の時かといいますと、-20度以下の低温と、雨風に長時間さらされるとおこります。冬山の登山などの特殊な条件のもとにみられます。処置としては、顔は手のひらを押しあて、手指はわきの下などに差し入れて暖めます。すぐにテントなどに収容し、40度くらいの湯につけて暖めます。直接火にかざして暖めないようにしてください。室温を25度以上に保ち、からだ全体を暖めることが大切です。

自然気胸

自然気胸は、肺に小さな穴があき、胸膜腔に空気がもれ、肺が圧迫された状態です。このために胸が痛い、息苦しいなどの症状がでます。自然気胸には、いろいろ種類がありますが、この3分の2は、肺に特別な病気や既往症のない自然気胸です。X線検査や打聴診でわからないだけで、実際には肺に小さな袋ができて、これが胸膜腔に破裂するためにおこると考えられております。この病気が多いのは、20代~30代にかけてで、男子は女子のなんと約4倍になります。一見、健康そうな男子が、急に胸痛、息切れをおこしたときは、だいたい自然気胸が考えられます。自然気胸が発生したときに症状は、息切れ、呼吸困難、胸痛、刺激性のせきがあります。この症状がおこるきっかけは、強い労作と関係がありません。棚に手を伸ばしたとき、ふとんをたたんで押し入れにしまうときなどに起こることが多いです。肺は、代償能力も大きく、すぐふくらんできます。胸痛や息苦しさは一日くらいでなくなるのが普通です。4~5日くらい安静にしていれば治ることが多いです。治らない場合は、胸膜腔の空気を抜く手術が必要になってきます。

はじめての授乳

生まれて何時間したら母乳を飲ませるかということは、別に決まってはおりません。昔に比べれば、だんだん早くなってきております。大事なことは、一つは赤ちゃんの吐きけがおさまることです。そして呼吸もおちつかなければいけません。もう一つは、お母さんがお産のあと、ひと眠りしてからです。急いで母乳を飲ませなくても、栄養不足になることはありません。慌てて飲ませて赤ちゃんがむせたり、吐いたりしてはいけません。お母さんは、ゆっくりと腰をかけて、赤ちゃんを抱きます。乳首を赤ちゃんの口に当てても、口を開いてくれないかもしれません。このとき慌ててはいけません。はじめは、2分くらい吸って、すぐに眠ってしまうかもしれません。そのときは、一休みさせてから、母乳をあげてみてください。母乳を与えるときは、乳房を消毒液でよくふきます。

日焼けのひどいとき

夏に、海などにいって日焼けすると、強い熱感と痛みがあり、赤く腫れあがって水疱ができてきます。これが、ひどいときには熱もでてきます。日焼けは、紫外線によるやけどになります。色白の人では、治ったあとに黒褐色の小さいしみがたくさんできることがあります。熱射病や日射病で倒れたときは、涼しい所に寝かせ、日焼けした部分を冷湿布して冷します。体の水分が日焼けした部分に集まっていますので、飲み水を十分に与え、早く小水が出るようにしなければなりません。色白の人におこりやすいので、海水浴に行くときは、サンオイルを塗って予防してください。

膿胸

膿胸は化膿性胸膜炎ともいい、結核性のものと非結核性のものとにわけられます。結核性膿胸の大部分は、人工気胸、胸膜炎の胸膜穿刺、肺手術など、治療や処置にひきつづいておこるものです。近年では、抗結核剤が進歩しましたので結核性膿胸は少なくなってきました。非結核性膿胸の大部分は、細菌性肺炎、肺化膿症、気管支拡張症などの、肺の化膿性病巣に続発します。食道ガンや肺膿瘍、胃穿孔など、食道や腹腔内の化膿性病巣から続発することがあります。骨髄炎や敗血症のとき血行性に膿胸をおこすこともありますが、これはきわめてまれになります。非結核性膿胸の起炎菌は、原因となる病気によって違いますが、肺炎球菌、連鎖球菌、ぶどう球菌、大腸菌インフルエンザ菌、フリードレンデル肺炎杆菌などです。