不妊症と人工授精
結婚して数年たっても妊娠しないのを不妊症といいます。不妊の原因は、夫婦いずれにあるはずです。女性側の原因としては、排卵障害と卵管閉鎖があります。排卵障害は婦人体温計で容易に知ることができます。排卵期を境にして体温が高低二相にわかれていれば排卵しています。低温ばかりつづくようなら、排卵していない証拠です。男性側の理由としては、精子の異常があげられます。泌尿器系の病気で精子がなかったり、運動していなかったりするもの、あとは、おたふくカゼが原因で精子に異常をきたしたものがあります。無排卵には、排卵のしくみから考え、ホルモン療法が行われます。卵管の閉鎖は簡単には元にもどりませんので、治療がとても難しいものになります。体外受精が行われる場合は、男性の精子が少なかったり、ホルモン療法や全身療法が行われます。人工授精は男性の精子を女性の子宮内に注入し、妊娠させようとするもので、夫婦間の人工授精が原則になっております。
人工中絶
結核や心臓病などを合併した妊婦で、なりゆきによっては、生命に危険がおよび、妊娠を継続することがむりな場合があります。このような母体を保護するために、優生保護法が制定され、人工中絶が合法的に行われています。優生保護法によれば、精神病や遺伝疾患のほか、身体的または経済的理由から、母体の健康を著しく害するおそれのあるもの、および暴行など強姦されて妊娠した者には、指定医の判断で中絶を行うことができます。医学的に人工中絶とは、胎児を人工的に流産させることで、胎児が母体外で生命を維持できない妊娠第6月末までが中絶可能の条件になっております。第6月未満といっても技術的には初期の第2~3月と中期の第5~6月では大きな差があり、中期は小型の分娩をしなければなりませんから、1週間くらいの入院が必要になります。