知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

肺胞微石症

肺胞微石症は、ほとんど肺全体の肺胞内に、カルシウム、燐を主成分とする微細な結石を形成するまれな病気になっております。病院にいって胸部X線をとると、肺全体に砂をまいたような状態になっているのを確認できます。これは、X線像の所見のわりに症状がきわめて軽いのが特徴で、集団検診で発見されることが多いようです。症状は、運動をしたりすると息切れをおこし、ひどくなってくると呼吸不全になってきたりします。これは原因が不明とされている病気なので根本的な治療はみあたらないです。

育児はお母さんの知恵

赤ちゃんが生まれたらどうしたらよいのかと、誰でも心配するものです。母乳はでるだろうか、上手に飲ますことができるだろうか、お風呂にはどう入れればよいのだろうかなどと気になることがいろいろとあると思います。そして、赤ちゃんが生まれると、育児書をひらいたり、近所の人の話を聞いたりするでしょう。どういうふうに赤ちゃんを育てるかということで、いろいろ学ぶのは悪いことではありませんが、大切なことは知識にふりまわされないことです。育児というのは、室温が何度で、着物は何枚ときまったものではありません。お母さんが自分の知恵を働かすことが重要になってきます。本で読んだこと、テレビでみたことを、そのまままねをするのではなく、それを材料にしてお母さんが考えなければなりません。

背骨のけが

背骨の骨折は、手足の骨折とちがって、骨が押しつぶされたような形になります。背中を打ったときや、交通事故などでおこります。背骨はからだをささえる柱としての機能のほか、脊髄神経という手足の運動や感覚をつかさどる神経や、排尿・排便の機能を制御する神経など、大切な神経をいれています。このため、背骨の損傷は重大な損害をおこします。背中を怪我した後、痛みのほか、手足が動かない、しびれがあるときは重大です。一刻も早く救急車を呼んでください。やむをえず運ばなければならないときは、できるだけ動かないように充分な手をかけて、担架や戸板のような広い安定した台にのせて移動させます。

肺胞たんぱく症

これは肺胞に、脂質にとんだたんぱく様の物質がたまる、きわめてまれな病気になります。世界でもあんまりなく、日本でもすくないです。胸部X線写真では、両側肺に肺門部から蝶形にひろがるびまん性のやわらかな影をみとめます。症状は、進行性の呼吸困難で、二次感染を受けやすいのが特徴になっております。この原因は不明になっているので治療方法は難しくなります。

不妊症と人工授精

結婚して数年たっても妊娠しないのを不妊症といいます。不妊の原因は、夫婦いずれにあるはずです。女性側の原因としては、排卵障害と卵管閉鎖があります。排卵障害は婦人体温計で容易に知ることができます。排卵期を境にして体温が高低二相にわかれていれば排卵しています。低温ばかりつづくようなら、排卵していない証拠です。男性側の理由としては、精子の異常があげられます。泌尿器系の病気で精子がなかったり、運動していなかったりするもの、あとは、おたふくカゼが原因で精子に異常をきたしたものがあります。無排卵には、排卵のしくみから考え、ホルモン療法が行われます。卵管の閉鎖は簡単には元にもどりませんので、治療がとても難しいものになります。体外受精が行われる場合は、男性の精子が少なかったり、ホルモン療法や全身療法が行われます。人工授精は男性の精子を女性の子宮内に注入し、妊娠させようとするもので、夫婦間の人工授精が原則になっております。