知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

人工栄養の注意

人工栄養は牛乳でなく、育児用粉乳でします。粉乳で赤ちゃんに与えるミルクを作るのを調乳といいます。調乳は正しい量でしなければいけません。粉乳によって、溶かす量が違いますから気をつけましょう。人工栄養のときは、とくに衛生に気をつけます。調乳のときは、よく手を洗い、器具を消毒します。調乳したら、すぐに飲ませます。調乳したミルクを外出に持っていってはいけません。また、粉乳の缶をあけたら、スプーンは別のところにしまい、粉乳は乾燥した涼しいところに置きます。冷蔵庫に入れると、出したときに缶に水分がつくので、やめましょう。

刺し傷の手当

刺し傷は、傷口が小さく、止血が少ないので油断しがちですが、傷が深くて血管・神経が傷ついていると大変です。また、針や刃先の折れた物、泥などが傷の中に入り、化膿したり、破傷風にかかったりする危険もあります。傷口をよくみて調べてください。

傷口を軽くおして血を出し、傷の中に入った細菌を流し出します。

傷のまわりの皮膚を消毒して、減菌ガーゼを当てます。

深い傷や、異物の入っている傷は、すぐに医者で治療をされてください。

心臓病について

息切れや呼吸困難になると、心臓病だと思う方が多いと思いますが、これは、かならずしも心臓病の症状ではありません。心臓病で息切れを感じるのは、うっ血性心不全や肺性心の場合です。この場合は、心臓に負担をかけたときに症状が現れますが、安静にしているときは症状がとれるという特徴があります。階段を昇ったり、坂道を歩いたりすると息切れを覚えるということは、心臓病の初期症状として重要なものの一つです。肥満者は、横隔膜呼吸がうまくいかないので、肺活量が少ないうえに、脂肪のぶんだけ、余分の重荷を背負っているのと同じ理屈になりますから、心臓に病気がなくても、このような症状がおこります。

哺乳量測定

母乳がどれくらい出ているかを調べるのは、手でしぼったのではわかりません。赤ちゃんに吸ってもらわなければ、ほんとうの量は、わかりません。まず、赤ちゃんの体重をはかっておいて、母乳を吸わせ、ふたたび体重をはかります。前後の体重の差が哺乳量になります。哺乳量は毎回違いますから、1回はかっただけで出るとか出ないとか、きめてはいけませんので注意して下さい。

切り傷、裂け傷の手当

刃物、ガラスなどの鋭利なもので切った傷は、出血は多いのですが、痛みは比較的軽いのが特徴になります。鉈のような刃先の鈍いものや、硬いものでたたき切られたような傷では、出血が少ないわりに痛みが強いものです。

傷ができたら、水道水と石鹸で傷口の汚れを落とします。傷の周囲の皮膚に消毒薬を塗ってからガーゼを当てて、包帯をします。傷が開いているときは、絆創膏を蝶形に切るか、カット絆を、傷の線に直角になるように貼って傷口を寄せ合わせます。包帯しても血がにじんでくるときは、その上に新しい包帯をし、圧迫して出血の止まるのを待ちます。