酸素を供給するしくみ
心臓自体も酸素を必要としています。人間の心臓の壁は、縦横に張りめぐらされた筋肉によって繊細な構造になっています。人間の心臓は、心筋専用の血管をもっています。これが、冠状動脈と冠状静脈です。冠状動脈とは、心臓の表面を冠のように走行しているところからこの呼び名があるのですが、細かい枝を心臓の内側へ向かって、心筋を直角に貫いて出しています。
止血
大けがによる大量の出血は、ショックや失血死の危険がありますが、少量の出血では、全身的な影響を及ぼすことはまずありません。少量の出血では、傷の中の小さい異物や細菌を流し出す効果があります。あわてて不潔な布や紙を当てて押し込んだりして、傷をそれ以上染させないことが大切です。減菌ガーゼがあればそれにこしたことはありませんが、ない場合はあり合わせのもののなかで最も清潔と思われる布きれか紙を出血部位に当てて、指や包帯で圧迫します。血液が固まるまで、少なくとも5分くらいはかかりますので、じっと待ちましょう。
心臓の構造
心臓の役割は、血液を体のすみずみまで、まんべんなく循環させるためのポンプになります。血液は体組織にとって、栄養物のとり入れや老廃物の除去とともに、酸素の供給源として重要です。細胞自体は万一の場合にそなえて、栄養物を貯える能力はもっていても酸素を貯える手段を持ち合わせていないからです。人間は、酸素なしでは3分以上は生き続けられないのです。そのために、効率のすぐれた肺という呼吸装置を必要とします。肺循環には心臓の右側の心房と心室が必要であり、体循環のためには左側の心房と心室が必要になります。血液を押し出す原動力は心室の収縮になります。心房は、心室が収縮している時期に心臓へかえってくる静動脈を一時ためておくのがおもな役割になっております。心臓の内面は、心臓内で血液がかたまらないように平滑な心臓膜でおおわれ、心臓全体は心外膜で保護されております。