知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

急性縦隔炎

急性縦隔炎の多くは外傷、とくに食道の外傷性穿孔に続発したものです。原因は、内視鏡検査による損傷と、異物を誤飲したときの損傷がもっとも多くなっています。縦隔はリンパ組織に富んでいるので進展は早く、重篤な症状をおこしがちです。高熱を発し、胸骨裏面に強い胸痛があります。処置がおくれると予後がわるく、救急治療が必要です。治療としては、まず適切な抗生物質を使います。そして必要に応じ、開胸して排膿ドレナージをします。

発育のよいわるい

発育がよいか悪いかは、体全体と知恵の発達とを合わせて考えなければなりません。しかし、普通は体重と身長とで見当をつけます。知恵のほうは、運動機能がどこまで進んだかで考えます。体重・身長・頭囲・胸囲については、厚生省が発表した乳幼児身体発育値があります。母子健康手帳を見ればわかると思いますが、パーセンタイル値で示されております。パーセンタイル値というのは見なれないことですが、全体の中で何%めにいるかということになります。たとえば100人の同年齢、同性の子供がいたとき、体重が10番目ならば、その子の体重は10パーセントタイルということになります。200人ならば20番目になります。発育は、他の子供と比べるのではなくて、その子がどういう経過をとるかが大切になります。大きければよいというのではありません。体重だけでなく、身長の変化と比較して両方が同じ傾向で増えていけばよいのです。

打撲、内出血

仕事昼や歩いている時に強く打ったり、ぶつかったりしたときに、その部分が腫れ、痛みがおこります。腫れが強いときは、内出血がおこっていると考えなくてはなりません。腫れてきたら、なによりも強力に冷すことです。すぐに冷水や氷水で半日ぐらい冷すようにしてください。これをすることによってかなり腫れがひいてきます。神経や筋肉に障害のないときは、とくに問題はありません。ただ、痛みが強く、腫れもひどいときは、骨折になっている可能性があります。この場合は急いでお医者さんに見てもらうようにしましょう。たまに、神経を強く打って、一時的に神経麻痺をおこしたり、しびれがおこったり、力が入らなかったりすることがありますが、正しい診断を受ければ心配はないでしょう。

縦隔腫瘍

縦隔内のリンパ節、結合織、神経組織、胸線などに発生する腫瘍で、良性のものと悪性のものとがあります。縦隔腫瘍は、かなり大きくなっても症状がでないものです。しかし、腫瘍も縦隔内または付近のほかの臓器を圧迫すると症状がでてきます。一般に良性腫瘍は無症状で、X線検査で偶然発見されます。急速に症状がでるのは悪性腫瘍の場合になります。腫瘍が気管支を圧迫すれば、せき、たん、喘鳴、呼吸困難をおこし、横隔膜神経を圧迫すれば、横隔膜神経麻痺をおこして横隔膜が拳上し、反回神経を圧迫すれば声帯麻痺によるかすれ声がおこり、助間神経を圧迫すれば後方から前方に走る神経痛がおこります。

発見の見とおし

生まれたばかりの赤ちゃんは、腕に抱かれるほど小さく、自分でお乳を探すこともできません。それが1年もたてば、ものに伝って自分の思うところへ行ったり、ちょっとした言葉を話すようになります。3歳ごろになればいうことをきかなくなり、6歳になれば小学校へ行くというように、どんどん成長していきます。子供というものは、このようにどんどん変化していくものであるということを考えておきましょう。その変化は、小さいときほど大きく現れるものなのです。体が一番変化するとき、つまり発育がもっとも盛んなときは、赤ちゃんの時期です。この時期には知恵も発達します。生まれたばかりの赤ちゃんと満1歳になったときとを比べれば、すぐわかるでしょう。1ヶ月前と同じ気持ちで赤ちゃんを育ててはいけません。発育だけでなく、食事でも衣服でも生活全体を月数に合わせて考えなければなりません。幼児になると発育のテンポはゆっくりします。思春期になると発育が盛んになり、大人へとすすみます。