知っておくと役に立つちょっとした医学

生命を助けるための応急処置や病気・症状等の知識を掲載していきます。

はじめての授乳

生まれて何時間したら母乳を飲ませるかということは、別に決まってはおりません。昔に比べれば、だんだん早くなってきております。大事なことは、一つは赤ちゃんの吐きけがおさまることです。そして呼吸もおちつかなければいけません。もう一つは、お母さんがお産のあと、ひと眠りしてからです。急いで母乳を飲ませなくても、栄養不足になることはありません。慌てて飲ませて赤ちゃんがむせたり、吐いたりしてはいけません。お母さんは、ゆっくりと腰をかけて、赤ちゃんを抱きます。乳首を赤ちゃんの口に当てても、口を開いてくれないかもしれません。このとき慌ててはいけません。はじめは、2分くらい吸って、すぐに眠ってしまうかもしれません。そのときは、一休みさせてから、母乳をあげてみてください。母乳を与えるときは、乳房を消毒液でよくふきます。

日焼けのひどいとき

夏に、海などにいって日焼けすると、強い熱感と痛みがあり、赤く腫れあがって水疱ができてきます。これが、ひどいときには熱もでてきます。日焼けは、紫外線によるやけどになります。色白の人では、治ったあとに黒褐色の小さいしみがたくさんできることがあります。熱射病や日射病で倒れたときは、涼しい所に寝かせ、日焼けした部分を冷湿布して冷します。体の水分が日焼けした部分に集まっていますので、飲み水を十分に与え、早く小水が出るようにしなければなりません。色白の人におこりやすいので、海水浴に行くときは、サンオイルを塗って予防してください。

膿胸

膿胸は化膿性胸膜炎ともいい、結核性のものと非結核性のものとにわけられます。結核性膿胸の大部分は、人工気胸、胸膜炎の胸膜穿刺、肺手術など、治療や処置にひきつづいておこるものです。近年では、抗結核剤が進歩しましたので結核性膿胸は少なくなってきました。非結核性膿胸の大部分は、細菌性肺炎、肺化膿症、気管支拡張症などの、肺の化膿性病巣に続発します。食道ガンや肺膿瘍、胃穿孔など、食道や腹腔内の化膿性病巣から続発することがあります。骨髄炎や敗血症のとき血行性に膿胸をおこすこともありますが、これはきわめてまれになります。非結核性膿胸の起炎菌は、原因となる病気によって違いますが、肺炎球菌、連鎖球菌、ぶどう球菌、大腸菌インフルエンザ菌、フリードレンデル肺炎杆菌などです。

母乳を飲ませる

新生児は母乳で育てるように努めます。母乳は赤ちゃんに必要な栄養が全部含まれています。母乳以外になにも与えないで、安心して赤ちゃんを育てることができます。ミルクではいろいろ手順がありますし、アレルギーが心配のことがあります。お産のあと数日間出る母乳には、免疫物質が多く含まれています。このため新生児は重症の下痢になりにくいということも知られております。お母さんが赤ちゃんを抱いて母乳を飲ませるときの満足感や安心感というものは、赤ちゃんを育てるうえに大切なことです。ここから育児の自信もわいてきますし、子供が大きくなって、我が子の扱いに問題が生じたようなときでも、こころのよりどころになるものです。

熱射病・日射病

熱射病は、高温多湿の環境、たとえば密閉された室内、トンネルなどの工事、風通しの悪い服装での長時間の運動などによっておこります。日射病は、夏期などに、直射日光を長時間あびたままでいたり、帽子をかぶらずに、後頭部を長く照らされているとおこります。脈拍や呼吸が速くなり、頭痛がして、顔面は蒼白となり、悪心、嘔吐、あくび、体温上昇などの症状がみられ、ときには意識を失うこともあります。

これらの症状にかかっている人を見たら、すみやかに涼しい場所に移して横たえ、衣服をゆるめ、余分な衣服は脱がせます。

体温をはかりながら、手足に冷水をかけたり、頭を冷したり、風を送ったりして全身を冷します。意識がはっきりしているときは、冷水に食塩を少量加えて、ほしがるだけ与えます。けいれんしたり、意識がはっきりしなかったり、回復のきざしがみられないときは、すぐに救急車を呼びます。