交通事故
歩行者が車にはねられたり、ひかれたりすれば大怪我することは当然ですが、運転者や同乗者が、重大な障害をうけることが多くなってきたように思えます。このとき、恐ろしいのが頭部の外傷です。意識障害がおこったかどうか、またそれがどのくらい続いていたかなどが、将来の機能障害はもちろん、治療にも重大な関係があります。むちうち損傷といわれる頸部の障害も怖いです。事故の時、手に電気が走るような強いしびれがおこらなかったか、また、首に痛みがおこらなかったか、首を曲げたり伸ばしたりが自由にできなくならなかったかどうかなどを気をつけておきたいものです。最近では、バイクによる事故が多くなっています。頭部、頸部など生命に直接関係した外傷がおこりやすいほか、転倒したバイクの下敷きになり、熱く焼けている排気管などでやけどし、これに骨折が合併して治療が困難になることもあります。
育児はお母さんの知恵
赤ちゃんが生まれたらどうしたらよいのかと、誰でも心配するものです。母乳はでるだろうか、上手に飲ますことができるだろうか、お風呂にはどう入れればよいのだろうかなどと気になることがいろいろとあると思います。そして、赤ちゃんが生まれると、育児書をひらいたり、近所の人の話を聞いたりするでしょう。どういうふうに赤ちゃんを育てるかということで、いろいろ学ぶのは悪いことではありませんが、大切なことは知識にふりまわされないことです。育児というのは、室温が何度で、着物は何枚ときまったものではありません。お母さんが自分の知恵を働かすことが重要になってきます。本で読んだこと、テレビでみたことを、そのまままねをするのではなく、それを材料にしてお母さんが考えなければなりません。
背骨のけが
背骨の骨折は、手足の骨折とちがって、骨が押しつぶされたような形になります。背中を打ったときや、交通事故などでおこります。背骨はからだをささえる柱としての機能のほか、脊髄神経という手足の運動や感覚をつかさどる神経や、排尿・排便の機能を制御する神経など、大切な神経をいれています。このため、背骨の損傷は重大な損害をおこします。背中を怪我した後、痛みのほか、手足が動かない、しびれがあるときは重大です。一刻も早く救急車を呼んでください。やむをえず運ばなければならないときは、できるだけ動かないように充分な手をかけて、担架や戸板のような広い安定した台にのせて移動させます。